Voyage for Discovery

SPECIAL

vol.07

ポーランドランジェリーを支える人々

Unsung Hero

裏方を知ると、もっと楽しくなる

SPLASHで不動の人気を誇る2大ランジェリーブランド、Axami(アクサミ)とSawren(サブレン)。過去の特集では、それぞれのブランドヒストリーやブランドに込められた創業者の想いなどをお伝えしましたが、ブランドを築いた創業者の力だけではありません。創業者を陰から支える裏方の力があってこそ、ブランドは大きな飛躍を遂げてきたのです。今回の特集では、そんなアクサミとサブレンの人気を陰で支え続けている裏方の人々をご紹介します。

目次 -Contents

  • ポーランドランジェリーを支える人々
  • 第1部・Axami アクサミの裏方に迫る
  • アンナ・ゴウエビオヴスカ 製造責任者
  • ヴィエスラヴァ・パヌチャック 品質検査
  • 若き有能なオフィススタッフたち
  • 第2部・Sawren サブレンの裏方に迫る
  • ウシュラ・ニチェツカ 専属デザイナー
  • エヴァ・サヴィツカ セールスマネージャー
  • ポーランド聖霊正教会に守られて

第1部・Axami アクサミの裏方に迫る

ボーランドを代表するようなランジェリーブランドになったAxami(アクサミ)。今では珍しくないが創業時の1989年、旧共産圏のポーランドにあって最新の技術と品質を第一に考えているメーカーは稀であり、その事が現在の躍進の原動力になっているブラントです。スタッフや経営者の考え方も合理的であり、品質に厳しい日本のファンも魅了しています。そんなアクサミの秘密をスタッフに焦点を当てて紹介いたします。

アンナ・ゴウエビオヴスカ 製造責任者

最初に紹介するのは、アクサミの製造責任者であるアンナ・ゴウエビオヴスカ。アクサミ創業者のエディタ・スクトゥニカの実母でもあり、創業当時からアクサミの品質管理をサポートし続けてきました。昔はウェディングドレスやパーティードレスの企画や製造を手掛ける仕事をしていましたが、アクサミの創業を機に退職。創業メンバーの一員として、陰からアクサミを支え続けてきました。

威風を吹かせる存在感は、まさに影のボス
威風を吹かせる存在感は、まさに影のボス

現在もエディタがデザインを手掛けながら表舞台に立つ一方で、アンナはアトリエ全体の管理を全面的にサポート。ドレス事業で培ったアンナの管理能力は、ランジェリー分野においても大いに発揮されています。普通の人なら見逃してしまう小さな問題も、アンナは細かくチェック。ワーカーひとりひとりに指導をして回ります。エディタをはじめ、アクサミのスタッフ全員が、「アンナの品質に対するこだわりは、日本人にも負けない」と太鼓判を押すほど。

厳しい眼でクオリティを管理するアンナ
厳しい眼でクオリティを管理するアンナ

創業者のエディタはこう語ります。 「正直なところ、アンナは厳しすぎると思うことも多い。そんなに細かいことまで気にしなくてもいいのにと思うことだってあるし、あまりにも厳しすぎてスタッフが辞めてしまうのでは、と心配になることもある。でも、アクサミのクオリティが世界で評価されるのは、彼女のサポートがあるからこそ。表舞台に立つことが苦手なタイプだけど、陰からいつも支えてくれて、本当に感謝しています。」

アンナの厳しい指導に、ときには涙を流すワーカーもいるそうですが、そんな裏方たちの努力があってこそ、アクサミの高い品質は保たれているのです。

ヴィエスラヴァ・パヌチャック 品質検査

完成品のクオリティの最終チェックを行う品質検査工程で、長年にわたりチーフ(最高責任者)を務めるのが、ヴィエスラヴァ・パヌチャック。製造現場責任者のアンナからも絶大な信頼を得ているヴィエスは、20年以上もアクサミで働いています。

ユーモラス溢れる性格で後輩からも慕われるヴィエス
ユーモラス溢れる性格で後輩からも慕われるヴィエス

そんなベテラン社員の彼女は、アクサミで働くスタッフ全員から「ヴィエス」とニックネームで呼ばれ、若い従業員からもまるで母親のように慕われています。一見すると生真面目そうにみえますが、実はとてもチャーミングでユーモラスなヴィエス。私たちがカメラを向けると、恥ずかしがりながらも豊かな表情をして何度も楽しませてくれました。

ところが、ひとたび仕事を始めると、その真剣な眼差しはまさにプロフェッショナル。細かい部分まで丁寧にチェックしながら、若手スタッフにまで丁寧な指導を行います。仕事中は真面目で優しいリーダー、仕事を離れるとお茶目なオバチャン。裏方としてアクサミの品質を支え続けています。 (※2013年よりヴィエスは出荷梱包の工程で働いています。)

マックス 頼もしき番犬

アクサミを守る番犬マックス(MAX)
アクサミを守る番犬マックス(MAX)

アクサミのアトリエ隣にあるエディタの自宅で飼われている、番犬マックス。もともと野良犬でしたが、アクサミのアトリエにたびたび姿を現すようになり、いつしかアクサミの番犬に。2012年に不運な交通事故に遭うも、奇跡的に生存。現在はエディタ自宅の庭にハウスを構え、気まぐれでアクサミの門番を担っています。 ※マックスがオフィスやアトリエの中に入ることは禁じられています。犬の毛が製品につくようなことはありませんので、ご安心ください。)

若き有能なオフィススタッフたち

アンナやヴィエスの活躍によって、着実に品質を向上させてきたアクサミ。そんなアクサミの製品を世界市場で販売するために、アトリエの隣にあるオフィスでは若き有能なスタッフたちが働いています。双子の娘を育てながら働くワーキングマザーや、5か国語を話すというマルチリンガルなスタッフなど、顔ぶれも豊か。コンピューターのスキルにも優れ、語学に堪能な彼女たちの存在は、世界市場でビジネスを広げるためには欠かせません。

明るく開放的なアクサミのオフィス
明るく開放的なアクサミのオフィス

他のポーランドのブランドよりもいち早く近代化を進めたアクサミ。オフィスや工場内を見てもその斬新さに目を見張ります。ただ、どうしても近代化できないものの中に、厳しい視線があるのかもしれません。それは心の中にあるマインド。日本人の匠や伝統を守る心意気に似たものかもしれません。設備が近代的になっても職人のように厳しい目で品質をチェックし続けることが、将来のポーランド製品の品質に繋がるのかもしれません。

スプラッシュが総力をあげて特集するスペシャルコンテンツ。 体感するランジェリーの世界観をテーマにランジェリーの今を特集します。

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