「本と映画」をテーマにするマガジン

今回紹介するのは「おばあちゃんのエプロン」というビジュアルブック。まるで絵本のようなタイトルですが、絵本のようにストーリーがあるわけではなく、写真と文章で綴られたエッセイ本です。 著書は、家内製手工業人の石澤敬子さんと、写真家の和田直美さんの石澤敬子さん。石澤さんは、ポーランドやエストニアなどを旅して見つけた古いテーブルクロスやカーテンなどを使って、オリジナルの洋服や小物を制作する活動をされています。本書では、旅先のポーランドとエストニアで出会ったおばあちゃんたちとの交流や、おばあちゃんたちのライフスタイルを、和田直美さんの写真とともに楽しく綴っています。

ページをめくるたびに登場する、可愛らしいおばあちゃんたち。東欧らしいノスタルジックな柄のエプロンやワンピースを着て、市場で新鮮なフルーツや野菜を買ったり、庭や窓辺のお花に水をやったり、公園をお散歩したり。おばあちゃんの写真以外にも、東欧の可愛らしい陶器、手作りのお菓子、近所の子供たちなど、おばあちゃんたちの日常を感じさせるひとコマがたくさん登場します。おばあちゃんたちのスローなライフスタイルも、エストニアやポーランドの田舎町の風景も、優しく語りかけるような文章も、全てが心地良くてほっこり気分になります。

この本は、慌ただしい毎日を生きる現代人のためのサプリメント。この本に詰まったすべてが、ストレス社会で生きる私たちの心を優しく解きほぐしてくれます。ちょっと疲れた時に、ゆったりとした気分で読みたい一冊です。