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イースター
〜Wielkanoc〜

イースター(キリストの復活祭)は、春分の日を過ぎて、満月の後に来る日曜日のこと。キリストの復活を祝福する祝日で、敬虔なカトリック教徒が多いポーランドでは、イースターはクリスマスと並んぶ大切な日です。ポーランドでもクリスマスは恋人同士で過ごしたりもしますが、イースターは基本的に家族で時間を過ごします。

第1回のコラムで「Fat Thursday(脂の木曜日)」のお話をしました。Fat Thursdayの翌日から約40日間も続いた節制生活は、イースターで終わりを迎えます。そんなわけで、イースターの朝は、豪華な食卓を家族みんなで囲み、お腹いっぱいに食べます。イースターの朝食に欠かせないのが、前日(聖土曜日)に教会で清められた食べ物。イースターの前日に、決められた食べ物(羊の砂糖細工、イースターエッグ、手作りケーキなど)をかごに入れて教会に持っていき、聖水をかけてもらい、翌朝に食べるのが伝統的な習わしとなっています。

そしてひとつ、イースターに欠かせないのものが、イースターエッグ。食べるのではなく、卵の殻にカラフルな模様をつけた工芸品です。ポーランド語では、ピサンカ(Pisanka)と言います。ポーランドでは、鳥は「神の使者」として崇められており、鳥の卵は「生命の誕生」を表すお守りとしても大切にされてきました。その鳥の卵に装飾をして神に祈りを捧げたのが、イースターエッグの始まりだとされています。イースターエッグは作り方や模様は、地方によってさまざま。Book&Cinemaのコーナーで紹介している雑誌『ジョルニ』では、イースターエッグの作り方が詳細に解説されています。個性豊かな東欧各地のイースターエッグも紹介されており、その神業的な工芸には思わず溜息が出ます。イースターエッグは東欧各地で作られているので、イースターエッグを求めて東欧めぐりをするのも楽しいかもしれません。

ちなみに、イースターの翌日は「水かけ月曜日」と呼ばれ、お祭り騒ぎで水をかけ合います。相手が誰であろうとお構いなし。街を歩いていたら突然バケツの水をかけられるなんてこともありますので、ご注意くださいね!

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