COLUMN
News & Trend
気になる最新記事 おすすめセレクト
ランジェリー・トレンド
パリ・ポルト・ド・ヴェルサイユで幕を開けたSIL2025(Salon International de la Lingerie 2025)から数カ月。ランジェリーは“魅せる”ファッションとして、進化を加速させています。TAGWALK×SILの共同解析※1では、肌見せルックは前年比+229%、レース使用率も+45%と圧巻の伸びを記録。2025-26年秋冬は、「自分らしさ×官能」がテーマ。未来のドレスコードを示唆するこの潮流を、7つのキーワードと3つの大潮流、そしてリアルなスタイリングと共に、SPLASHがナビゲートします。
※1, 4大都市6,000体のFW24⇆FW25ランウェイをAIで比較した公式データ。
目次 -Contents
New Sexy-自分のために
黒レース×コルセットで“自分にドキドキ”するのが今季の合言葉。黒チュールブラやシルクコルセットをジャケットの下にしのばせれば、昼はさりげなく、夜は一気に主役へ早変わり。SIL2025 でもいちばん目にした二段変化スタイルです。TAGWALK の分析でもウルトラセクシーなアイテムが大幅に増え、SIL2025公式ガイドブックでも「まず自分を喜ばせるフェミニスト・セクシー」と明言。ガーターベルトやサスペンダーもカムバックし、コルセットは窮屈な締め具から“自信をまとえるアーマー”に進化しました。黒の官能は25-26年秋冬、気分を底上げする最強カラーです。

黒チュールブラをインナーに忍ばせ、シルクコルセットでウエストをキュッとマーク。そこにオーバーサイズの黒ブレザーを肩掛けして、絶妙な抜け感を演出。さらに、ハイウエストのスリットスカートからは、ガーターストラップがほんのりと覗き、官能的な緊張感を醸し出す。仕上げはポインテッドトゥの黒レザーブーツで足元をシャープに引き締めて。昼はさりげなく、夜は主役級にドラマティックな“New Sexy”を日常に取り入れる、この4ステップ。コツは「少しずつ、でも堂々と」。まずはチラ見せから始めて、ランジェリーがもたらす高揚感を、あなたのスタイルに溶かしてみて。

Corset Comeback
ジャケットの上からくるりと巻けるウエストシンチャー(短丈コルセット)や、チェーンがきらめくガーターベルト。SIL2025 のカメラが一斉に向いたのは、“着るアーマー”みたいに進化したコルセットでした。SIL2025公式ガイドブックでも 「corset/シンチャー/シェイプウェア/ガーターベルトがカムバック!」 と大きく特集。シルクやレースにジュエリー級の装飾をのせたゴージャスな新作がずらり並びました。
現地メディア FashionUnited※2 も「コルセット系は今季のトップ4アイテム」と太鼓判。セルフエンパワメントを象徴する一着として注目度は急上昇です。なかでも話題をさらったのが、LA 発 Belle Perle(ベル・ペルル)。デザイナーのセリーヌ・オボンは「女性が世界を征服するための鎧を作る」と宣言し、メタリック糸×ゴールドチェーンのビスチェで喝采を浴びました。

ベージュのショートコルセットベルトを、袖をロールアップして七分丈に仕上げたオーバーサイズブレザーの上から大胆にオン。ブラックのミディ丈タイトスリットスカートからは、ガーターストラップがほんのりと覗き、計算された色気を忍ばせて。足元にはヌードトーンのショートブーツを合わせ、抜け感と脚長効果を同時に叶えるスタイリングに。腰位置が自然と上がり、スタイルアップと自信を同時に纏えるこのルックは、ランジェリーを外に連れ出す“次のアップデート”として、一枚で完成する最旬の提案です。

Playful Color-Blocking
ピンク × オレンジ、ターコイズ × レモンイエロー。ブラストラップやトリムで原色をぶつけ合う〈マルチ配色〉が今季の遊び心。SIL2025 の会場でも、ビビッドカラーをレースに効かせる SARDA(スペイン)、肌ざわりにこだわる MEY(ドイツ)、SNS 発の Mon Tiroir(中国)まで色遊びが大盛り上がり 。SIL2025公式トレンドリストでも「Fun colour blocking」がトップ3入りし「大胆なカラーコントラストがランジェリーの新しい表情を引き出す」と解説。ストラップやエラスティックを“あえて外した色”に替える提案を掲載しています。

エメラルドグリーンのブラ×レモンイエローのチューブトップを仕込み、ブラのトップ部分をエクスポーズド。ホワイトのシアーシャツでPlayfulにレイヤード。ボトムはパッチワーク柄ワイドパンツでColor-Blockingを加速。裾を軽くインするだけでウエストの鮮やかなコントラストが際立ちます。ブラと同系グリーンのイヤリングで抜け感と統一感を両立すれば、日常に遊び心あふれる“見せるランジェリースタイル”の完成。

Metallic Shine & Green & Purple
SIL2025の会場では「ライム〜エメラルドのグリーンと、カシス〜パープルの濃色パープル」が最も目立ったカラー。とりわけグリーンはライムからブルーがかったエメラルドまで幅広く展開され、「会場はグリーン一色と言っても過言ではない」と評された。
昼夜問わず“きらめき”を纏うフォイル加工レースやパール光沢サテンは、SIL2025で〈新しいニュートラル〉に格上げ。SIL2025公式ガイドブックが「装飾&華美への回帰」を掲げる中、トレンドハンターのジョス・ベリー※3も「森の闇にきらめくフォイルプリントが来季ムード」と分析し、ライムからエメラルドに至る〈多層的グリーン〉を今季のキーカラーと断言しています。
さらに、ライム〜エメラルドの鮮烈なグリーンとカシス〜ディープパープルを組み合わせる補色ブロッキングが色遊びの最前線。Oh La La Cheri(オー・ラ・ラ・シェリ)のネオンライムシアーブラ、Understatement(アンダーステイトメント)のマットエメラルドセット、Scarlett Gasque(スカーレット・ガスク)のベルベット調ディープパープル。各ブランドが新しいランジェリー表現を提示し、装いにドラマティックなコントラストをもたらしています。

グリーン×パープルが直接対決するカラーブロッキング。 エメラルドグリーンのブラをインナーに効かせ、シアーシャツを軽く羽織ってフォイルのようなツヤ感を添え、パープルのパンツで補色コンビを大胆に演出しつつ、シルバーのパンプスで上下に煌めきをリレーします。 このスタイルで、手持ちアイテムが一瞬で2025-26年秋冬ムードに。まずはグリーンブラの力強い色みを生かした配色遊びから始めてみてください。昼はさりげなく、夜は光と色のコントラストを楽しんでみてください。

Pretty Shapewear & Visible Underwear
2025–26年秋冬は、“魅せて整える”ランジェリーが共演するシーズン。まずはPretty Shapewear。レースやメッシュを贅沢にあしらい、「補整=可愛い」を極めた〈魅せるシェイプウェア〉が主役に。公式ガイドブックでも「corsets, waist cinchers, shapewear… are making a big comeback」※4と大きく打ち出され、FW25ランウェイでの採用率は+9%と急上昇中。MAGIC Bodyfashionの“Luxury Shapewear”やMiraclesuitの機能派レース、Pinsyの総レースボディースーツなど、多彩なアイテムが登場しています。

「Visible Underwear(ビジブルアンダーウェア)」とは、これまで隠していたアンダーウェア(下着)をあえて見せるスタイルを指します。ランジェリーとは異なり、主に肌に直接触れるインナーとしての機能性を持つブラやボディスーツ、ショーツといったアンダーウェアを、トップスやアウターのレイヤードで演出。SIL2025公式ガイドブックによれば、この「アンダーウェアをファッションとして魅せる」スタイルは、ランウェイでの登場率が前シーズン比+15%に急伸しています。
どちらのトレンドも今まで地味だったアンダーウェアーを「魅せて整えて可愛い」に進化させる新しいスタイルです。SIL2025で紹介されたトレンドを実際のコーデに合わせてみませんか?

1. AT HOME|リラックス × くつろぎ
ゆったりした休日は、Pretty Shapewearスタイル。グレイのガーターストッキングと合わせて。ゼロプレッシャーの着心地で快適をプラス!ソファでのまったりタイムにも華やかさを演出します。
2. GOING OUT|お出かけ × セットアップ
急なお出かけには、Visible Underwearスタイル。クロップドジャケット+ロングバミューダショーツを腰下でルーズに穿いてけばボディースーツのレース&シルエットが、アウターの合間からチラリと光る“見せる服”ルックを完成。
「Pretty Shapewear & Visible Underwear」流の新ランジェリーモード体験!1つのボディースーツで二つのスタイルが叶う──余計な装飾をそぎ落としたミニマルな美しさ(Pretty Shapewear)と、レースや透け感で魅せる大胆さ(Visible Underwear)を両立。インナーでありながらアウター級の存在感と、補整力による快適なフィット感が一着で叶う、新時代のボディースーツスタイルをぜひお楽しみください。

トレンド全体を貫く 3 つの潮流
1. フェミニズム × エロティシズムの新機軸
SIL2025開幕キーノートでショー・ディレクターのマチュー・ピネ※5が掲げたスローガンは「Ultra-Sexy, by Women — for Women」。またWSN のCEOフレデリック・モウス※6は「官能はもはや外部の視線ではなく、セルフラブと自己決定の領域だ」と補足し本年のテーマ「New Sexy」と「ウェルネス・シフト」などを宣言、シーズンを貫く公式メッセージとして発信した。 その宣言どおり、黒レースとコルセットで“自分のためにときめく”〈New Sexy〉が会場の空気を塗り替えた。黒レースやコルセットは、誰かを誘惑するためではなく 自分の気持ちを高めるアイテム に生まれ変わったのだ。 SIL2025公式ガイドブックは「フェミニスト・セクシー」という見出しを掲げ、コルセットやガーターベルトの採用率が前季比 およそ4割増と話す業界関係者もいた。締め付けの象徴だったコルセットが“自信を纏うアーマー”へと転じ、エロティシズム=セルフラブという新しい提案が確立され会場を貫く1つ目の潮流となった。

2. ランジェリーがワードローブの主役へ
ブラを前面に見せるスーツや、ボディスーツ+タイツでパンツを省く“No-pants”スタイル。〈Visible Underwear〉はもはや流行ではなく新しいドレスコードだ。SIL2025公式ガイドブックによればランウェイでの出現率は前季比+15%。ホワイトスーツの深いVゾーンにショッキングピンクのブラを忍ばせたり、刺繍ブラをジャケットの外に重ねるなど、“ジャケット以上トップス未満”の新スタイルが目立った。街では「ブラストラップを蛍光色に替えるだけ」という手軽なテクがSNSで拡散し、今やランジェリーを最初に選び、その上に服を重ねるという発想が浸透しつつある。インナーとアウターの境界線は、無くなりつつある。

3. ウェルネス & プレジャーの融合
SIL2025 では、補整インナー・ナチュラル素材のブラ・セルフプレジャーグッズが同じ棚に並ぶ光景が当たり前に。ウェルネスゾーンの合言葉は「肌も心もケアするテキスタイル」。天然コットンレースや生分解ラテックスを使ったクリーン・ランジェリーがバイヤーの視線を集めた。
補整=地味という常識を覆したのが〈Pretty Shapewear〉。レース付きボディスーツで「補整も可愛い」路線を打ち出し、採用率は前季比+9%。機能は隠すのではなく誇る時代へ移行している。
さらにSIL2025公式ガイドブックの “Wellness & Pleasure” ページには、温感シルクブラなど着るセルフケア製品がずらり。素材、構造、香り、温度――五感すべてを味方に、ランジェリーは私的セラピーのプラットフォームへ進化した。ボディポジティブとメンタルウェルビーイングを同時にかなえる「インナー・マインドフルネス」が、次シーズンのキーワードになる。

大胆さを纏う2025/26年秋冬は、「自分らしさ×官能」を体現する3つの潮流が絡み合い、ランジェリーを「体を飾る布」から「心身を整えるツール」へとシフトさせます。自己肯定を光らせるランジェリーは、自分らしさを解放し、官能を呼び覚ます装いの鍵。ランジェリーラバーのワードローブは、もはやクローゼットの奥底に閉まるものではなく、自信と官能をチャージする“パワーステーション”。今季はぜひ、自分らしさを解き放つ一着を選び、日常をドラマティックに彩ってください。
これからもSPLASHとともに、「自分らしさ×官能」の未来を語り合いましょう。

気になるランジェリーのトレンドと最新ニュースを紹介するおすすめコラム。話題のキーワードなどを深堀します!
©2018 SPLASH.全ての文章は著作権で守られています。無断転載・無断使用、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。