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世界のランジェリーをワードローブに

キャシー 世界のランジェリーをワードローブに

乳がんの“その先”を考える。女性の心に寄り添うランジェリーとは。

こんにちは。
ランジェリースタイリストのキャシーです。

こちらのコラムでは、「世界のランジェリーをワードローブに」をテーマに、ランジェリーの世界観がより広がるコラムを書いていきたいと思います。

今回のテーマは、「乳がんの“その先”を考える。女性の心に寄り添うランジェリーとは。」

乳がんは自分とは縁遠いこと、と思う方も多いかもしれません。 しかし、日本人女性は年間約11人に1人(2018年推計)の割合で乳がんを患う。進行してしまうと、乳房を切除しなければならない可能性もあり、最悪は死に至る病。 乳房切除となると、ホルモンのバランスが崩れたり、女性としてのアイデンティティを見失い、自信を無くしてしまう人も少なくありません。

多くのメディアは、乳がんを患った女性やその家族の辛さを報道するものの、その先の人生については報道されることはほとんど無い。 しかし、乳がんを患った‟その先“が、女性の人生にとって重要ではないでしょうか。

キャシー・乳がんの“その先”を考える。女性の心に寄り添うランジェリーとは。

2021年のパリ国際ランジェリー展(オンライン開催)では、乳がんによる乳房切除を乗り越えた女性自身が立ち上げたブランドが出展されており、こちらの商品が特徴的であったのは、従来の術後用のブラジャーとは異なり、ブラジャーの形を成すものではないという事。

キャシー・乳がんの“その先”を考える。女性の心に寄り添うランジェリーとは。

ブランド名はBreast Flower。 そのブランド名の通り、切除後のバスト部分にまるで大輪の花が咲いたかのよう。 切除後のバスト部分にハンドメイドの美しいBreast Flower(表面はコサージュのようで、バスト装着部分は肌に優しいシリコンを使用)を装着。 隠すのではなく、その部分を強調して美しく見せる。

2021年のパリ国際ランジェリー展では、今までにないこの新しい発想に注目が集まりました。 ブランド創始者であるMs. Kamroen Farzanは、自身が乳がんを患い、乳房切除後に再建か否かの選択を迫られました。しかし彼女は自身の体にシリコンを入れるという選択をせず、ありのままの体を受け入れることを選択。 ただ、それは決して楽なものではなく、乳房切除後は気持ちが沈み、外出もままならない日々が続きました。

彼女は当時勤めていた会社をやめ、自分自身と向き合うことに。 すると、次第に気持ちが持ち直し、自身の体を受け入れられるようになり、同じ経験をした女性たちのために、自身でランジェリーブランドを立ち上げます。

バストと心を彩るジュエリー。それがBreast Flowerであり、女性の心を健康に、そしてポジティブに保つ手助けをする。 インタビューの際には、ブランド創始者の彼女自身が花が咲いたような笑顔で、自身のブランドと人生について語ってくれました。

乳がん、そして乳房切除は、女性としての終わりではない。 乳がんによって、その先の人生の選択肢が決まってしまうわけではない。

そんな勇気をもらえました。

女性の象徴的なパーツの一つであるバスト。 でも、大きさや形で時にはコンプレックスになったり、病気でバストが失われることで女性としての自分を否定してしまう事もある。 それは、誰にでも起こりうること。 そんな時ランジェリーの力を借りるのも、選択肢の一つ。 今まで気づかなかった自分の可能性に、気づけるかもしれません。

キャシー・乳がんの“その先”を考える。女性の心に寄り添うランジェリーとは。

各分野で活躍する方々に登場していたたきランジェリーや女性の美、最新の ファッションやコーディネイトに関する情報を発信していただく最新コラムです。

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