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名前の日
〜IMIENINY〜

ポーランドでは、誕生日と同じくらい、あるいはそれ以上に重視にされている記念日があります。それは名前の日(imieniny)です。

名前の日は、カトリック教徒の多いポーランドならではの文化です。ポーランドのカレンダーを見ると、日付の下に必ず文字が書いてあります。それらは全てキリスト教の聖人の名前で、365日すべての日に、キリスト教における守護聖人の名前が割り当てられているのです。その日はその聖人を崇拝するための記念日となります。

ポーランドでは、新しく誕生した子供に聖人と同じ名前をつけるケースが多いため、365日のどこかに自分と同じ名前の日があるということになります。必ずしも聖人と同じ名前をつける必要はないので、名前の日を持たない人も一部にはいますが、多くのポーランド人は自分の名前の日を持っています。名前の日には、誕生日と同じようにプレゼントやご馳走を用意して、家族や友人とお祝いします。ポーランドでは、この名前の日がとても重視されていて、誕生日よりも名前の日を大切にしている人が多くいます。

例えば、私の友人Monika(モニカ)の名前の日は5月4日。彼女も誕生日より名前の日を大切にしている人のひとりです。その理由は、名前の日はいくつになっても嬉しいからだそうです。歳をとってくると、誕生日が嬉しいと思えなくなってくるけど、名前の日は年齢に関係なく嬉しいというのです。そのため中高年を過ぎると、誕生日よりも名前の日を盛大に祝う人が多くなるのだそうです。なるほど、確かに一理あるかも知れない。思わずそう納得してしまったのは私だけでしょうか。

余談になりますが、ポーランドにはAnna(アンナ)という名前の女性がやたらと多くいます。日本で、人気や流行などの影響で同じ名前が多くなることはありますが、そんなレベルの話ではなく本当に多いのです。その他にも、Ewa(エヴァ)やMagdalena(マグダレナ)など、これまでに同じ名前の女性に多く出会ってきました。ポーランド人に同じ名前が多いのは、名前の日の影響もあるのかもしれません。

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