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昼下がりのディナー
〜OBIAD〜

ポーランドでは、14時から17時までの間にディナーを済ませてしまう習慣があるということをご存知でしたか? 食事のタイミングが、日本とは全然違うのです。初めてポーランドへ行った時、私はその事実を知らなかったので、とても驚いたのを覚えています。

ディナーといえば、仕事が終わった後に、18時~21時くらいの間に食べるのが一般的ですよね。でも、ポーランドでは、15時ごろにディナーを食べる習慣があるのです。ポーランドでディナーはobiad(オビアッド)と呼ばれ、「遅めの昼食」を意味します。食事は1日4回が基本で、朝5時頃にブレックファストとしてケーキやパンを食べ、午前11時ごろにランチとしてサンドイッチなどの軽食を食べます。そして14時〜17時の間にディナーとして多めの食事をとり、夜は小腹を埋めるスナックなどを食べるそうです。夜に食べるのは、英語で言うところのSupper(軽めの夕食・夜食)なのだそうです。

ポーランドがまだ共産主義だった頃は、15時半までに仕事を終えるのが決まりになっていました。都市部の大企業や外資系企業では、西洋と同じく12時頃にランチを食べ18時頃にディナーを食べるというライフスタイルを送っていますが、地方都市や田舎町では共産主義時代の風習がまだ残っており、オビアッドの文化が続いているのだと言います。そのため、地方の中小企業の営業時間は15時まで。早いところでは14時で営業終了なんて会社もあります。

ポーランド人の友人曰く、「仕事が終わってから日光をを浴びないなんて、考えられない!」とのことです。日本には「アフター5」という言葉がありますが、実際のところ、「アフター6」だったり「アフター9」だったりするのが現実。その点、ポーランドの田舎町では「アフター3」は約束されているのです。何とも羨ましいですね!

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